錆びた金属をブルーイングして綺麗にする

  • 2018.06.23 Saturday
  • 17:10

今回はブルーイングを紹介します。原付整備としては一風変わった内容です。

 

風防を装着して二年ほど経過すると、金具部分が錆び錆びになって行きます。

 

金属 錆 ブルーイング

 

ピンボケの写真ですが全体的に錆が出始め色も白っぽくなっています。ミラーの足(付け根)の部分まで錆が回ってきてしまったので、流石に放置できなくなり対処することにしました。

 

 

まずは風防を外します。スクリーンを外したときにステー(L字の金具)が車両に直撃しないようにしましょう。スクリーンも絶対安全な場所に保管して下さい。

 

 

今回はミラー本体のターナー(写真銀色の部品)も外しました。こうして見ると、ナットやワッシャ、ステーは綺麗なままです。

 

原付 風防 金具 錆

セッティングボルト28mm(右側)

 

セッティングボルト24mm(左側)

 

ホルダーY

 

同じくホルダーY

 

以上の四つの部品が集中的にやられていますね。ボルト二本は赤錆が浮いているような生易しい状況ではなく、錆が食い込んでいます。556で拭き取れば除去できるとかいうレベルではありません。根っこ部分も錆で真っ赤なのが分かります。もう一方のホルダーYという金具は錆と一緒に色まで抜けて白っぽくなっています。

 

ボルトの錆が特に錆が酷く、これは風防各所を伝って雨水が垂れてくるのが原因でしょう。

 

とりあえず、この四点以外はパーツクリーナーで汚れを取るぐらいにしておきます。ミラーの根っこの錆は556とピカールで磨いたら落ちました。

 

さあ、ここからが作業の本番です。

 

まずは100均の耐水ペーパーセットで元の黒染めごと錆を落とします。耐水ペーパーとは水研ぎ用の紙ヤスリのことです。水を付けながら研ぐことで削りカスがまとまります。最初は空研ぎ用を使ったのですが大量の削りカスで喉がやられ酷い目に遭ったので水研ぎ推奨です。

 

ヤスリは番号:#の小さい(目の粗い)物から番号の大きい(目の細かい)物を使って行くのが基本ですが、#800ぐらいのが一枚あれば大丈夫だったりします。お好きなやり方でどうぞ。今回は#800と#1200を使いました。

 

 

こんな感じになります。ボルト根っこの赤錆は556でかき出すように落としました。

 

 

う、美しい……。なんかもうこれで終わりで良くない?と思いましたが、作業を続けます。

 

中性洗剤(食器用洗剤)で丸洗いしましょう。表面の油分を取り除く脱脂という作業で、ブルーイングではペーパーがけと脱脂が重要です。これで下準備は終了です。

 

バーチウッド アルミブラック メタルフィニッシュ ブルーイング 方法

バーチウッド アルミニウムブラック メタルフィニッシュ

 

バーチウッド(Birchwood)のアルミブラックを使います。これはアメリカ産のケミカルで本場では銃器の補修などに使われています。左に見えるのはシリコンスプレーで、その半分ぐらいの大きさです。内容量は90mlなのでちょっとした小瓶ぐらいです。

 

ブルーイングとは化成処理の一つで金属の表面に化学反応を起こして酸化被膜を形成させることを言います。特に金属部品のタッチアップ(補修)に広く用いられる技法です。今回は補修ではなく丸ごとブルーイングします。私の知る限り、日本ではゴルフクラブをブルーイングする人が多いようです。あれは金属の塊ですからブルーイングでピカピカになります。

 

※注意!!!

ブルーイング液を使う際には【必ず】【準備から片付けまで】薬品用のゴム手袋を着用して下さい。この薬品は酸なので少しでも素肌に触れると痛い! ヒリヒリします!

パッケージにDANGER(危険)とかPOISON(毒)とか書いてあるのはガチですよ。もし素肌に触れた場合には十分な(長時間)流水で洗い流す。万が一にでも目に入った場合には病院です。正しい使用法を守れば全く問題ありませんが、慣れない内は大げさなぐらいに構えていた方が良いです。

 

 

ブルーイングのやり方は色々ありますが、今回は100均のお猪口に青い薬液を注いでそれを綿棒でちょんちょんと擦り付けて行きます。

 

金属 バーチウッド ブルーイング 方法

 

一気に黒い酸化被膜が形成されていきます。反応が薄い場合には何度か重ね塗りをします。

 

バーチウッド アルミブラック ブルーイング 方法

 

サッと躊躇せずやるのがコツです。あともう一回ぐらい重ね塗りします。

 

 

一個目が終了です!

 

 

いい感じです。完成したらすぐに水で洗い流すかシリコンスプレーを噴き付けるかして薬液を洗い流して下さい。薬液が付着したままにすると更に反応が進んで錆びてしまいます。

 

二個目も同じく仕上げます。

 

バーチウッド ブルーイング ケースハードン

 

次はボルトです。写真はレインボーな状態。薄く擦り付けるとこうなります。この状態で止めることもできますが加減が難しいです。

 

 

テキパキと染めて行きます。ボルトは平面なので染めやすいです。右がブルーイング済みの物。

 

 

上の部分も忘れずに染めます。左の未処理のボルトには平面に薄っすら斑点が見えます。これは食い込んで落としきれなかった錆です。表面が平坦になれば完全に落とし切れなくても問題ありません。本来は斑点が見えないぐらいに耐水ペーパーで削るのが理想ですが錆び錆びの物だと難しいと思います。

 

バーチウッド アルミブラック ブルーイング 方法

 

そんなことを言っている内に完成です!

 

完成してもすぐに組み上げず、二日三日ほど放置して様子を見てみましょう。染めの程度が適切でないと一日ぐらい放置しただけであっという間に赤錆だらけになってしまいます。たとえ赤錆を拭き取ってもすぐに同じことの繰り返しになってしまうので、ブルーイング失敗です。もう一度耐水ペーパーで錆を落としてから再チャレンジしましょう。

 

三日後に少し赤錆が浮くぐらいであればOKです。防錆オイルで赤錆を拭き取ってから組み立てます。手が滑るので、本格的に注油するのは組み立てからの方が良いです。

 

ブルーイング 錆止め

 

反応が落ち着くとこのように艶無しのブラックになります。まさにアルミブラック?

 

ブルーイング 錆止め

 

ムラも無く仕上げることができました。一枚目の写真とは段違いです。はっはっはっ(自画自賛)

 

写真では結構あっという間にやった感じですが、ムラ無く仕上げるには慣れが必要です。特に綿棒や筆で塗るやり方だと薬液の量が均一にならずムラになりやすい。タッパーに薬液を注いで"ドブ漬け"する方法もあり、これだと色ムラになりにくいです。今回は部品自体が小物だったので、ドブ漬けでも良かったかもしれません。もし、この記事を見て小物のブルーイングを試そうと思う人がいたらドブ漬けでやってみて下さい。ドブ漬けの場合は一気に反応が進んでしまうので、薬液を水で少し薄めてからやると初心者はタイミングを見計らいやすいと思います。

 

金属であればブルーイングの手順は同じです。

 

ブルーイング自体にも工場で行う高温の処理と、今回紹介したような個人で行う常温処理があります。前者はホットブルーイング、後者はコールドブルーイングと呼ばれています。

 

 

■ブルーイング液には種類があります。

 

バーチウッド スーパーブルー

鉄用です。その名の通りやや青みのある黒色のガンブルーな色合いに仕上がります。基本的は磁石に付くならこっち。風防の金具も鉄なので本来はスーパーブルーが材質には合っています。

 

バーチウッド アルミニウムブラック メタルフィニッシュ

今回使ったもの。アルミ用ですが、実際は鉄も染まります。亜鉛も染まるので、汎用性が高いブルーイング液です。色はこちらの方が艶消しの黒っぽいです。

 

他には真鍮用や、スーパーブルーと同じ鉄用でもゴルフクラブの仕上げなどの好みでパーマブルーなんてものもあります。ブルーイングをする際には染める対象の材質用の物を買うようにしましょう。

 

 

過去記事:風防装着(ミラーの外し方)

 

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