カムチェーンテンショナーの点検

  • 2020.07.24 Friday
  • 12:25

前回の続きとして、カムチェーンテンショナーの点検を行います。

 

点検と言っても、正しくは簡易的な点検です。カムチェーンテンショナーローラー、アームの様子まで見るのはLクランクケースカバーを開けなければならず、さらにフライホイールを外さなければならないのでとても面倒臭いです。Lクランクケースカバーを開けるためにも、荷台を外しボディを外し、コネクタを外し……と道のりがとても長くなります。

 

逆を言うとカムチェーンを実際に押さえているカムチェーンテンショナーローラーが破損してしまうと、そこまでやる必要があります。そうなるのはオイル管理の不足でオイル溜まりにオイルが溜まらず、張りが保たれずにカムチェーンが暴れ続けてローラーが破損する、という場合ではないでしょうか。あとは万単位走行して摩耗しきったローラーを交換する場合です。

 

そうならない限りは、この簡易的な点検で十分です。前置きはここまでにして始めましょう。

 

最初にチェンジペダルを外します。外さなくても作業は可能ですが、邪魔すぎるので外した方が無難です。

 

 

写真の位置のボルトを一本外して、手前に引っ張れば抜けるので簡単です。勢い余って手がステップにぶつからないようにします。普通に痛いです。

 

 

過去記事:カムチェーンテンショナーとエンジンオイル

 

 

前回少し書いたままで写真もそのままですが、次に赤枠の二箇所のボルトを外します。写真はチェンジペダルが付いたままですが、位置関係を分かりやすくするためです。

 

上部の赤枠がオイルフィラボルト、下部の赤枠がテンショナーボルトです。正式名称はフランジボルトとシーリングボルトですが、分かりにくいので呼び分けます。(その辺を細かく言うならカムチェーンテンショナーボルトとか言うべきですが、長いので略します。)

 

二箇所のボルトを外すときは、必ずオイル受けを用意して下さい。特にテンショナーボルトを外すとスプリングと共にオイルが飛び出すので、油断していると一面オイルまみれになります。パーツが落下しないようにビニール手袋などで押さえるのも有効です。スプリングは結構な勢いで飛び出すので、紛失に注意して下さい。

 

テンショナーボルトを外すためには8mmHEXソケットが必要です。

 

 

中から飛び出して来るのはカムチェーンテンショナーロッドと同スプリングです。これは写真を取るためにパーツクリーナーで拭いているので、実際はオイルまみれです。軽く拭いた方が点検自体もやりやすいです。

 

 

テンショナーロッドには穴が穿ってあります。循環したオイルがここから流れ込み、オイル溜まりに溜まっていきます。結構この穴の加工は雑で歪んでいるのですが、見えないのと用途が用途なので全く問題ありません。

 

 

テンショナーロッド先端に取り付けてあるテンショナーヘッド(ゴム片)を確認します。ここが欠けていたり凹んでいたりすると異音の原因となるので新品交換が必要です。写真は新品状態なので摩耗確認の参考にして下さい。

 

 

前にテンショナーロッドには浮き玉のようなものがあると言いましたが、正しくはチェックバルブ(逆止弁)です。その名の通り、これでオイル溜まりのオイルの逆流を防止しています。

 

このチェックバルブに損傷やスラッジの付着など詰まりがないか確認します。

 

ふと思ったのですが、このチェックバルブが完全にオイルの逆流を防ぐのであれば、そもそもカムチェーンの擦れ音なんてしないはずです。更に言えば、エンジンオイルを循環させる必要すらないはず……。うーん、多少は逆流するようになっているのか、チェックバルブがオイル溜まりの上面というわけではないのか……。

 

 

テンショナースプリングが使用限界に達していないか確認します。使用限界は88mmです。まだまだ余裕です。

 

テンショナーロッドにも使用限界があり、こちらは外径11.94mmです。ここが使用限界になるはかなり珍しいと思われます。

 

ヘッドのゴム片だけでなくスプリング長も確認するようにしましょう。

 

 

■組み立て

 

最初にテンショナーロッド、テンショナースプリング、ワッシャー、テンショナーボルトの順に組み立てます。規定トルクは22N・mです。

 

 

次にオイルフィラボルトを外した注入口から、エンジンオイルを注入します。これは忘れないようにして下さい。

 

エンジンオイルの注入を忘れると、オイル溜まりにオイルが一滴もない状態になりますので、エンジンを始動させるともの凄い音がします。(実体験)

 

油圧式自動調整というだけあって、このカムチェーンテンショナーはよくできていて、アイドリングさせているだけでも少しずつオイルが溜まっていき、最終的には正常状態になります。その後でオイルを注入しようとすると溢れて来るほどで全く不要です。要するに、万一忘れても即壊れるものではありません。

 

エンジンオイルの注入量は4㎤(4ml)です。しかし、厳密ではなくオイル注入口から少し溢れてくるぐらいで大丈夫です。規定量を全部注入するのは溢れてくるので難しいです。

 

注入量はともかくとして、この部分は注入自体が難しいです。チェンジペダルを外したのもこのためで注入口自体が奥まった位置にあり、斜めになっているわけでもないので、まずどうやって注入すれば良いのか悩むことになります。オイル差しも先端が短いと届かないので使えません。私は園芸用の楽液スポイトを使いました。

 

エンジンオイルを注入したらワッシャを忘れずにオイルフィラボルトを組み立てます。規定トルクは10N・mです。

 

※本来であればワッシャは新品交換です。私の場合、もうエンジンオイルのワッシャを三年ぐらい?使い回しているので、こっちもオイル漏れしたら交換すれば良いかということで再利用しています。ただオイルフィラボルトの方は銅ワッシャなので、歪みで漏れやすいかもしれません。

 

 

最後にチェンジペダルを戻します。ローレットの溝に合わせて嵌め込んで、ボルトを締めます。規定トルクは10N・mです。チェンジペダルの下の隙間が地面と垂直になるようにします。決まっているわけではないので、位置を変えても操作がしやすければ問題はありません。

 

これで終了です。やってみると位置が低いので、姿勢がきつかったです。

 

最後に、ここで書いた規定トルクや使用限界は全てスーパーカブ50(AA04)に準拠しています。この辺は同じ部品を使っていると思うので、2018年以降のカブでも通用するのではないでしょうか。

 

 

今回使ったもの

 

BIKE HAND YC-617-2S コンパクトトルクレンチ

 

主に自転車用ですが、HEXソケットが揃っているのでLクランクケースのホールキャップを外したりするときにも買い足す必要がありません。また、何かしらオイルをうまく注入するものは必須です。

 

 

点検項目と規定トルクのまとめ

 

テンショナーヘッド 損傷の有無
テンショナーロッド

チェックバルブの損傷・詰まりの有無

使用限界 11.94mm
テンショナースプリング 使用限界 88mm

オイル注入量

4ml
テンショナーボルト

22N・m

オイルフィラボルト 10N・m
チェンジペダルボルト 10N・m

 

 

 

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